2023年の2日目です.
正月早々,普通に朝活をしてますが,今朝の問題もなかなか面白かったので,備忘録として残しておきます.
問題(佐藤の確率統計 p.34 例)
立方体がある.その6つの面に,1から6までの数字を1つずつ書いたものを作るとき,異なるものはいく通りできるか.
これ,一見すると厄介な問題だなぁと思ってしまいました.
だけど,展開図で書くと円順列と同じ考え方で解けるというヒントを読んでなるほどと膝を打ちました.そこで考えた解答は以下です.
解答
つまり,立方体なのでこんな感じの展開図になります.点線の面は考慮しなくてもOK.残り5つの面に対して,真ん中を中心として考えると円順列になります.
ちなみに,この展開図を作成するには,ある面を下に置いて底面とし,底面とつながっているそれぞれの面をばらすようなイメージ.円順列の真ん中の面が底面になります.
それで,私は最初こう考えました.
5つの面に入る数値は1〜6のうちどれかなので,単純に6!.ただ円順列を考慮すると,90度ずつ回転させても同じ.つまり,4倍重複カウントしていることになるので,その分を割る.つまり,
\[\frac{6!}{4} = 6\times 5\times 3\times 2 = 180通り\]
と考えました.だけど,これは間違い!

というのは,これは展開図の書き方をよく考えればすぐわかりました.
つまり,以下の展開図はどれも同じサイコロになります.
展開図としては全く異なって見えますが,出来上がったサイコロはすべて同じです.これらの重複が残っています.だけど,どう考えればいいのか?
実はこれ,円順列の真ん中(底面)に入っている値の違いです.同じサイコロでも6つある面のどれを底面において展開するかによって,展開図が変わってしまいます.
そうすると,6つの面があるので,各々下に置いて展開することを考えると,6倍余分にカウントされていることになります.
ちなみに,一度サイコロを置いた後,回転させる場合はすでに円順列でその分を割ってるので問題ないです.
したがって,答えは6つある面のどれを底面にするのか,そしてそれから回転した場合,4方向の円順列になるという特徴があります.普通の円順列の問題より捻ってますね.
最終的には,その分の重複を考慮して,
\[\frac{6!}{6\times 4} = 5\times 3\times 2 = \mathbf{30通り}\]
となり,これが答えでした.
ふぅ・・・これ,解き方より,問題を作った人を尊敬します.