感情のぶつかり合い

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母が入院して1週間

その間,父や弟,親族らと接してきた.予想どおりだったが,こういう悲しいことが起こると,みんな感情が出てくる.

最初はみんな一様に悲しんだが

そのうち,「なんでもっと早く病院に連れて行かなかったんだ」という感情が父に浴びせられた.こんな状態になるまで父に虐げられていたという極端な感情まで出ている

弟までも,父が母に甘えていただけだろと突き放す

周りで感情が渦巻くと,決していいことにはならない.悲しいという感情はそのうち怒りに変わり,その行き場のない怒りは父に向けられる.

確かに父も全く責任がないとは言えないだろう.

だけど,冷静に聞くと,父も通院するよう強く言ってたらしい.だけど,母はそれよりもはるかに強い意志で「大丈夫だから」と言って聞かなかった.母の性格をよく知っている私は,父の言うことも分かる.

父は強引にでも病院に連れて行くべきだったと今では後悔しているが,まさかこのような深刻な事態になるとは誰も思っていない.それは母自身も思ってなかっただろう.

過去を悔やんでも仕方ない.

長男である私だけでも,努めて冷静になるつもりだ.少なくとも父を孤立させないようにしないといけない.

両親が住んでいる家は古いので,冬はとても寒いし夏は極端に暑い.冬は除雪が大丈夫だろうかと心配したし,夏は熱中症になってないだろうかと心配した.トイレも風呂も間に合わせの補修しかしてないので綺麗とは言い難い.母が退院した後,そんな環境下でもう一度以前の生活を送るなど不可能だ.

「それなら早いとこ親と同居してやれよ」

と思うかもしれない.だけど,両親は昔から頑固に「お前たちの世話にはならない」と言い続けてきた.住み慣れた地元を離れたくないという気持ちは,おそらく私が想像する以上に固いと思う.

それに病院の問題もある.

母は医大病院に入院しているが,私が今住んでいる街はあまり医療施設が充実していない.

そんな中,私なりに考えたことは・・・

母が退院したら,どこか地元の高齢者施設で父と仲よく2人で穏やかに暮らしてほしいということだ.

高齢者施設に入所させるというと「冷たい対応」というイメージを抱いてしまう.

だけど,高齢者施設は夏は涼しいし冬は暖かい.トイレも風呂も大きくて綺麗だ.何もしなくても食事は出てくるし,掃除もしてくれる.母も病気療養に専念できるから負担も減るし,常に職員が様子を見てくれるので,万一の時も安心できる.

母の病気は,退院後は2週間に1回の通院でいいらしく,次第に1ヶ月に1回通院するくらいでよくなるらしい.そのくらいの頻度なら,通院時に私が地元に帰ることも可能だ.

弟や妻とも相談して,そのような生活を提案してみようと思う.