1. 研究者への希望に燃えていた頃を回想

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私が博士を取得するまでの紆余曲折を記事として残しておきます.

以前,別のブログで記事として書いた内容ですが,そちらのブログを閉鎖したのでこちらに移行するつもりです.一気には大変なので少しずつ移行します.

全体ページはこちらです↓

1. 希望に燃えていた時代

大学4年の春,私が所属した研究室は新任の教授のところだった.

研究室が立ち上がって間もない時期だったので,だだっ広い部屋に机と椅子,そして別の研究室で使い古したサン・マイクロシステムズ社製のワークステーションが1台あるだけだった.

そのワークステーションを使って,私は与えられたテーマを研究する事になった.内容はある自然現象のシミュレーションのプログラムを書くことだ

ワークステーションと言っても,X Window システムすらないCUIの環境だったので,グラフィカルにシミュレーション結果を表示することができない.

そんな状況だったので,私は自費でPowerBook(MacBookの前身)を購入し,それを使ってシミュレーションのプログラムを作成する事にした.先生からは研究用のPCがすぐ届くから自費で買うのを思いとどまるように言われたが,とにかく結果を早く出したい一心で,大学生協の無金利ローンで購入した.

ところが,当時のMacの開発環境ではグラフィカルなプログラムを書くのがとても大変だった.MacはGUIが優れていたが,それはあくまでユーザ視点に立った話であり,自分でプログラムを作成するとなると話は別.研究と直接関係ないところで,かなり苦労した.

それでも,何とかそれなりの結果を出したので,すぐその年の秋の学会で発表することになった.周りの先生方からも,

「4年生で学会発表するなんて大したものだ」

と褒められ,順風満帆で研究活動を開始した(今の時代,4年生で学会発表なんて別に珍しくないけどね).将来は博士を取得して研究者になるという希望に燃えていた時期でもあった.

しかし,修士1年のちょうど10月くらいの時期だったと思う.研究室に新たに助手の先生が来ることになった.それ以後,私は地獄の大学院生活が始まることになる.

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