13. 博士論文,二人目の主査

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私が博士を取得するまでの紆余曲折を記事として残しておきます.

以前,別のブログで記事として書いた内容ですが,そちらのブログを閉鎖したのでこちらに移行するつもりです.一気には大変なので少しずつ移行します.

全体ページはこちらです↓

13. 新たな主査

f:id:ambras:20211204200936j:plainこれまでとは全く異なる研究テーマに取り組むことを決意した.

1, 2ヶ月くらいかけてじっくり考え抜いた末,行き着いた研究テーマがあった.それが現在の私の研究テーマの原型となるわけだが,ここでその詳しい内容は書けないのでご了解いただきたい.

大雑把にいうと,人体のある特徴をメカトロ・情報という視点から分析して明らかにするというものだ.それまで博士研究として私が取り組んできた内容とは大きく異なる.

だけど,自分にとって全くド素人の異分野に飛び込んだわけではない.

業務としてメカトロ関係やデータ分析は日頃から行っていたので,技術的な方法論は経験があった.

また,学生時代に友人がやっていた研究テーマもヒントになったし,そのための方法論はゼミや勉強会を通してある程度の知識があった.

ただ人体を研究対象にしたのは初めてだった.解剖学や生理学などの本を買い込み,この研究に必要な基礎知識をたたきこんだ.

正直,どこまでやれるのか分からなかった.だけど,私はこの研究を試行錯誤で進めることになる.

そして,私は上司の紹介である教授の先生に主査になってもらう機会を得た.

上司の紹介とは言ったが,全くの初対面ではない.私が学生時代に習ったことのある先生だ.その先生は亡くなった私の恩師とは全く方針が違った.

まず最初に,大学内の関係者しか目の触れることのない「学内の申し合わせ」の文章を学外者である私に見せてくれ,このように仰った.

「ここに書いてある通り,論文博士で学位申請するにはフルペーパーが3編必要です.まずはこの3編を揃えることを最優先に考えてください.国際会議論文ではダメです.ジャーナルや論文誌のフルペーパーです.それが揃ったら主査になりましょう.」

実に単純明快だった.3編という基準があるから,それをクリア出来ないうちは主査として責任が持てない.だから,先ずは基準をクリアしなさいということだ.

それは逆に言えば,3編揃えば主査として責任を持って学位を取らせてあげると言ってることに等しい.

非常に明快だ.私はすぐにデータを揃えてフルペーパーを書く準備を進めた.

しかし,ここから最初のフルペーパーが採録になるまで丸4年かかることになる.

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